慈しみの輪
この寺は朝早くから参拝に来る人が多い。
ここには動物霊堂があり、多くの動物たちが供養されている。
そのため、犬を連れて参拝する人の姿が目立っていた。
参拝に来る人たちは当然のように動物が好きなのだろう。みんなの猫たちを見る眼は優しかった。
犬も何しにここに来ているか分かってるみたいで、猫に吠えることもない。
猫たちも犬が近づいても警戒することもない。
過去の思い出を大切にする者は、今の命も大切にできる。
そして、その者たちに触れる動物たちも、心和やかになれる。
「慈しむ」とは、「愛しむ」とも書く。
この寺の猫たちは、そんな心の恩恵を受けているのだろう。