世界遺産の友達

今年初めての白川郷へ行ってきました。



ご存知の方もいると思いますが、僕が白川郷へ行くのは、観光が目的ではなく、友達に会うため。



去年の6月に白川郷へ行き、世界遺産で暮らす猫の大家族に魅せられてしまいました。



そして、その猫たちを温かく見守っているのが、当時、18歳となるオス猫ちゃちゃ。


世話をしているおばさんは「長老」と呼んでました。



その後、僕は2度、白川郷へ足を運ぶことになります。  


最後に行ったのは、11月。 月日が流れるのは早いもので、もう半年が経ってしまいました。



ちゃちゃとは3度しか会ったことがないのに、何故か、昔からの付き合いのような感じがしていました。


彼も数回しか会ったことのない、しかも、不定期にやって来る僕に対して、体当たりのように突進してきて体をこすりつけてくれました。


彼に会う時は雨上がりの時が多く、彼の体はいつも湿っていた。


でも、温かいぬくもりが伝わってくるんですよね。













しかし、今回はそのぬくもりを肌で感じることはできませんでした。




19年目の春を一緒に迎えることはできなかったのです。




いつもは、ひょこひょこ現れるちゃちゃでしたが、その気配は感じられませんでした。



「どっかで、日向ぼっこでもしてるかな?   ・・・もしかして?」と考えてると、猫たちを世話してる家のおじさんがでてきました。



そして、恐る恐る、ちゃちゃのことを聞きました。




その答えに、心のどこかで覚悟はしていたのですが、やはり愕然としました。



野良猫(ものすごく曖昧な定義として使っていますが)を撮ってると、その猫に次、必ず会えるという保障はありません。


18年も厳しい冬を乗り越えたちゃちゃも例外ではなく、いつかその時が来るのだろうと思ってました。



それでも、やっぱり、辛かった。 



他の猫たちの写真を撮ったのですが、いつもと違うのですよね。


いつもは、ちゃちゃに邪魔されるんですよ...。 それが、今回はじっくり撮ることができてしまう。



そして、花粉症でないのに、鼻水が出てくる。


でも、悲しいばっかじゃなくって、ここまで、僕に影響を与えてくれた一匹の猫を改めて凄いなと感じた。



おじさんには、詳しい話は聞かなかったのだけど、ちゃちゃがいなくなったという事実が知れたことは良かったと思う。


ちゃんと、会えたことに対するお礼を、ちゃちゃの暮らした白川郷で言えることができたから。


また、これから先の白川郷を、そして、ちゃちゃの子孫たちを、これからも見に来ることを約束しました。




白川郷の長老の最後の一年に出会うことができて本当に良かったと思う。


ただ、残念なのは、雪の上を力強く歩く、彼の姿を見れなかったことかな...。






・・・と、ここで、記事が終わるはずでした。




が、彼が逞しく生きる、冬の姿を見ることができました。




前回の記事で書いたのですが、岩合さんの写真集が届きました。


そして、その写真集を見て、僕は「(猫の)神様ってホントにいるんだな〜♪」って思いました。




雪の上で、僕の知ってる顔で毛づくろいをするちゃちゃの写真が載っていたのです。 しかも、仲間と一緒に雪道を歩いてる姿も♪






一期一会の猫もいれば、再会する猫もいる。


でも、全ての猫との出会いに感謝することが、猫の写真を撮ることには欠かせません。





白川郷の長老ちゃちゃとの出会いは、僕の財産です。









ちゃちゃ、ありがとう♪