再会を胸に
旅先で猫に会う。
そして、必ず別れの時が来る。
もちろん、今回の旅行も例外ではない。
ペチオくんといっぱい遊んだ後、その時がやって来た。
この目が何を訴えるのか? そんなことを考えてしまうと、この場から離れなれなくなってしまう。
道端で猫に出会って、写真を撮る。
僕がやってることは、簡単に言うとそれだけなんだけど、この時はカメラを置いている時間が長かった。
「またね!」
いつも、猫と分かれる時に決まって言う言葉。
この言葉を口に出すのに、どれだけの時間がかかったのだろうか?
そして、その言葉にはどれだけの重みがあったのだろうか?
彼にはそれが伝わったのだろうか? だんだん小さくなっても、瞳はずっとこちらを向いている。
雨の日の尾道。
通りすがりの旅人と猫が、ほんのちょっと一緒に過ごした時間。
そこには切ない別れがあり、そして、この地にまた訪れようという気持ちの原動力が生まれた。
また、行くよ、尾道!
また、会おうペチオくん!!