ウッシー
白川郷の猫たちは、とある2軒の家を梯子して、世話をしてもらっている。
僕がいつも写真を撮りに行くのが、坂の上にある家の方。
こちらは、観光客が入ってくることはないので、猫たちには居心地がいいみたいだ。
そして、この家の方の猫の呼びかたが、さっぱりしていて好きなんですよね。
女の子なのにチャップリンであるように、見たまんまで呼ばれている。
だから、三毛はミケ。 トラ兄弟に関しては、み〜んな、トラ(笑)。
長老が18歳だと教えてくれたのも、この家の方。
いったい、いつから猫たちの世話をしているのだろうか。
そして、何匹の猫たちを見守ったのだろうか...。
そう考えると、納得の名前のつけ方である。
この子はウッシー。
トラやミケと比べると捻りのある名前だけど、一目瞭然。
ところで、このウッシーなんだけど、いつもトラやチャップリンを追いかけていた。
けど、今回はなんか大人しい。
たまたま、寄り添っていたのかもしれないけど、表情もなんとなく穏やかな感じがする。
長老ちゃちゃは、若かりし頃は腕白だったという。
ウッシーもちゃちゃのように、この一族を温かく見守っていくのだろうか。
彼自身、そのことを分かってるような気もした。
今回、ちゃちゃだけでなく、会えなかった猫は他にもいました。
秋に会った、子猫たちは一匹も姿を見ていません。
それだけ、この地で、野良猫として冬を越すというのは過酷だということを知りました。
野良猫の世界は、食べ物さえあれば、生きてゆけるというものではないのですね。
そんな中、一年後に元気な姿を見せてくれた、チャップリン、トラ兄弟、ウッシー、ありがとう。
そして、18年生きたちゃちゃ、君の逞しさと懐の深さは、忘れることはないだろう。
白川郷の猫たちに幸あれ。